女性にとっての一大イベントである出産ですが、出産後、女性の体は変化します。まず、産後には生理が再開します。再開する時期は人によってさまざまですが、1年内に生理がある人がほとんどでしょう。出産を機に、生理が重くなってしまったという人も少なくありません。それだけ、赤ちゃんを産むということは女性の体に変化をもたらすのです。
また、乳房も大きく変わります。赤ちゃんを育てるにおいて、たいへん重要な位置を占めているのは授乳です。妊娠中から乳房内では母乳分泌のための準備が行われています。出産すると子宮から胎盤がはがれますが、それがきっかけでホルモンの分泌状況が変化し、乳汁が作られます。個人差がありますが、出産後3日目頃になると乳房が張ります。中には痛みを感じる人もいます。母乳分泌が増え始めると、乳房の張りは徐々に軽減していきます。出産後5日目以降は、乳房の張りが落ち着いていきます。授乳による乳房への刺激により、母乳を作るホルモンの値が上昇します。全く授乳をしないと、このホルモンの値は妊娠していないときの濃度まで下がるため、母乳を出すには頻回授乳を行うことが大事です。また、授乳の刺激により、母乳分泌と子宮収縮の両方に関わるホルモンも分泌されます。母乳を与えることが、出産後の子宮を回復させることにもつながるのです。
骨盤底を支えている骨盤底筋も出産後に変化します。妊娠中の体の変化、出産時の負荷等により、出産後は骨盤底筋がゆるみます。しばらくすると回復しますが、出産後すぐに動きすぎたり、重いものを持ったりすることで、ゆるんだままになってしまうことがあります。骨盤底筋がゆるんだままだと、咳やくしゃみ等による尿漏れ、頻尿、骨盤内臓器の下垂等が起こることがあるため注意が必要です。